5人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ一筆書いてよ。
『今後一切の請求はしません』って。
そしたら受け取ってあげる。
後から払えって言われても絶対に払わないからね!」
「かしこまりました」
店の男性の手には、いつの間にか紙と万年筆があった。
「これで宜しいでしょうか?」
店の男性があっという間に書いた念書を受け取り、私は頷いた。
「いいよ。貰ってあげる。
よく分からないけど」
店の男性は指を揃えた右手を差し出し、そっと扉の方に向けた。
「現実世界に戻れば分かります。
当店の商品は、きっとあなたのお役に立つ事でしょう」
最初のコメントを投稿しよう!