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「お願い、急ぎなの。ここだけの話、上手に書けなくても怒らない常連様だから」
副店長が耳元で囁く。
陽菜子の方をちらりと見ると、別の接客をしている。
副店長も別のお客の方に行ってしまった。
私はしぶしぶ筆ペンを握り、キャップを取り、熨斗に文字を書き始める。
……ん、あれ……?上手に書けてる……、よね?
「こちらでよろしいでしょうか?」
書き上げた熨斗紙をお客に見せると「うん、いいね。それで頼むよ」と、絶賛された。
包装も、いつもより手際よく、綺麗にできている気がする。
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