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その時、主に製造に携わり普段は顔をあまり見せない店長が、色とりどりの饅頭を盆に乗せて休憩室に入ってきた。
「何かあったのかい?
今、陽菜子ちゃんが泣きそうな顔で店の方に戻ってきたけど。
せっかく2人にも見てもらおうと思ったんだけどな」
「気にしないでください。
それよりそれ、新作ですか?」
「そうなんだよ!今までで一番の自信作!実は、S-1グランプリからオファーが来てるんだ。そこにこれを出そうと思ってね!」
「S-1グランプリって、令和に一番輝いてるショップを競うネット番組ですか?」
「そうよぉ~、優勝したらもっと忙しくなるから、杏ちゃん、頼むわねぇ~」
いつの間にか背後からぬっと現れ、私の両肩に手を掛けながら激辛ヌードルの匂いを撒き散らす副店長。
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