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ちょうどそのタイミングで入ってきたババァの接客を陽菜子に任せ、スマホを店の2階にある更衣室のロッカーに仕舞いに行く。
陽菜子は私に文句ばっかり。
後輩のくせに、いつも姑みたいな事を言ってくる。
階段を下りて店の方に戻ると、陽菜子の耳障りな声が鼓膜に響いてきた。
「ありがとうございました!
またお越しくださいませ!」
自動ドアの扉の前までお客を案内し、お辞儀をして見送るのがこの店のルールだ。
深々と頭を下げ、客が駐車場に向かったのを確認した陽菜子が店の中に戻ってきた。
私は、陽菜子とは極力話さないようにしている。
陽菜子は、私と同じく『cochiminna』という、大手ハンドメイドサイトで作品を販売している。
今や、出品する度に作品が即売り切れてしまう人気作家だ。
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