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「2人とも、少し早いけど、開店しよう。
若いお客様達のご来店だ」
製造室から出てきた店長が、やはりニコニコしながら、自動ドアのロックを解除した。
ウィ……ンという無機質な音と共に、ぞろぞろと若者達が入ってきて、その内の1人の男子が、スマホをいじりながら口を開いた。
「あのぉ!ここに、白栗杏さんって人働いてますかぁー!?」
男子の持っているスマホの構えは、どう考えても画像か動画の撮影モードになっていて、私を撮っているように見える。
「私が白栗ですけど……?」
もしかして、店外から見えた私に一目惚れして、公開告白に仲間が付いてきた感じのやつ?
「お客様、申し訳ありませんが、店内は撮影禁止ですので……」
店長がさりげなく注意しようとした瞬間、周りの若者達のテンションが一気に上がった。
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