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「お客様、うちの者が失礼致しました。
熨斗ですが、こちらでいかがですか?」
憤慨しているお客に、陽菜子が新しい熨斗紙を持って現れた。
「そしてこちらは今週販売されたばかりの新商品です。どうぞ」
そのお客に新商品の試食を薦めながら、陽菜子はにこりと微笑んだ。
「うん……あら、美味しいわ。
これは自宅用で5つ頂こうかしら。
熨斗の字も綺麗。
さっきの下っ手くそなやつと交換してちょうだい、大至急ね」
そう言いながら、私の方を一切見ず、こちらに和菓子に刺さっていた爪楊枝を渡してくるお客。
ちょっ……、先の方を向けて渡さないでよ。
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