復讐代行宝飾店~右腕になるアームレット~

8/52
前へ
/52ページ
次へ
お客にお釣りを渡してすぐ、陽菜子が私に耳打ちをした。 「杏さんのお客様だから、杏さんがお渡ししてください」 私は陽菜子から商品が入った紙袋を奪い、「お待たせ致しました」と、微笑みながらお客に渡す。 お客は私から商品を受け取るも、陽菜子の方を見て「ありがとう」と口を開いた。 入り口で見送ろうとすると、振り返ったお客が陽菜子に手を振っていた。 「ありがとうございました」 私はそう言いながら深々とお辞儀をするが、お客は無視。 『お前には用がない』、贅肉がたっぷり蓄えられた背中が、そう語っていた。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加