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今日、1回戦と2回戦を終えて、明日は準決勝。勝てば決勝も。
中学3年間ずっとバスケをやってきて明日がその集大成。中3、夏の大会2日目だ。
だが、初めてベスト4になって2日目に残った俺たちはただの挑戦者じゃない。
「創司ー!明日ってさぁ……は?もう寝てんの?」
不意にドアが開いて顔を覗かせたのは妹の優華。ただ、妹と言っても俺たちは双子だから同い年だ。
目を閉じたまま寝たフリをしているのにギュッと鼻を摘まれて、しばらくは我慢したがプハッと目も開けて空気を取り込む。
「何しやがんだっ!!」
勢いよく起き上がると、優華はピッとリモコンで部屋の電気を点けてからベッドの端に腰掛けて足を組んだ。
「何?緊張してんの?」
「は?」
「明日の試合、ビビっちゃって早く寝よう!とか?」
ニヤニヤ笑われて目を細める。
「ビビってなんかねぇわ!」
「へぇ……じゃあ、明日は男子も優勝してね」
余裕の表情で優華はこっちを見てきて俺はただ黙った。
こいつがこんなプレッシャーかけてくるから……俺たち男バスは初の2日目残留なのに何か負けちゃいけない気になっていた。
1回戦を控えた昨日はやれるだけやるか!って寝れたのに……絶対この訳わからんプレッシャーのせいだろ!!女子が強いからって男子も強い訳じゃねぇんだよ!
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