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女バスは去年の秋の新人戦で優勝。春も優勝して、このラスト、夏も今のところ全部早々と20点差をつける余裕の試合をしている。
俺たち男バスは何とか2点差でギリギリ2日目に残ったっていうのに。
「うちら女バスが完全制覇。男バスも優勝して有終の美を飾りたいでしょ?」
やれるもんならやりたい……だけど、男バスは準決勝もどうなるかわからない。
「お前、簡単に言うけどなぁ」
「簡単でしょ?負けたくないならどんどんシュート決めればいいんだから」
優華は当たり前だと言うように微笑む。
「そんなの……」
「ジャンプシュート決められたならスリー決めて相手より1点多く取ればいい。何ならファール誘って4点狙うよ!」
「凄ぇな」
「はぁ?そんなこと言ってるから、負けるんでしょ!」
俺は一言も言い返せなかった。
「創司。スリーが仕事の奴がビビって決めなかったら勝てる試合も勝てないよ?みんなが体張ってリバウンドしてくれるんだからこっちは意地でも決めなきゃ!」
「いや、わかるけど……」
「わかってないよ。絶対決める!落ちない!って気持ちがない!優勝するって思ってる!?明日、勝てるかなぁ……大丈夫かなぁ?でしょ!?」
見事に言い当てられて顔を背けようとすると、ギュッと耳を引っ張られた。
「いってぇって!!」
「勝つんだよ!やれるの!てか、やる!わかった!?」
そんな凄むように言われても俺はヒクッと口元を引きつらせることしかできない。
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