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『一目見た瞬間から、初めて声を掛けた瞬間から、初めて僕に笑いかけてくれた瞬間から君に幾度も恋してた。
君のちょっと照れ屋な所も、泣き虫で意地っ張りな所もすごく可愛くて大好き。もちろん、君の思いやりがあって優しい所も大好きだよ。僕の心を暖かくしてくれて、癒してくれる。
僕を好きになってくれてありがとう。ずっとずっと大切で愛していました。これからも、僕の一生を掛けて愛し続けると誓います。僕と結婚してくれませんか? 』
「よし!書けた!…かな? これで大丈夫かな〜。う〜ん……」
僕がうんうん唸り悩みながら書いていたのは、彼女へのプロポーズの言葉であった。
彼女とは高校1年生で同じクラスになり、一目見た瞬間に恋に落ちた。
彼女の涼やかな声から発せられる言葉は甘く、つい聞き惚れてしまうものだった。
引っ込み思案であがり症。奥手な性格の僕には、彼女に話しかける事さえ無理だと思った。
だが、僕自身も驚いたのだが、彼女と偶然朝に下駄箱で目が合った瞬間、
「おはよう! 」と声を掛けていた。
まだ、クラスで話しかけた事もなかったというのに、彼女は僕の名前まで覚えていてくれていたようで、苗字までつけて、挨拶を返してくれた。
その時の感動たるや! 何ものにも言い表し難い、えも言われぬもの喜びだった事今でも鮮明に覚えている。
その後は何故かトントン拍子に進み、彼女と席が隣になったり、帰り道が偶然一緒になったりと、接点が増えた。
日に日に彼女ともっともっと話したい。手を繋いでみたい。……あわよくば、彼女の唇に触れてみたいとさえ思うようになった。
勇気を出して告白しようと決意するも、告白は成功し付き合うことが出来たが、とんだ大失敗をしでかしたのだ。
まぁ、恥ずかしいのでここは割愛する事にする。
その時は何て僕は幸運な男なんだ! 愛の女神が僕に微笑みかけてくれたに違いない。
彼女と出会って10年、僕達は26歳になった。
彼女と付き合って10年、僕は明日彼女にプロポーズする。
「随分、待たせちゃったな。明日はバッチリ決めて彼女にOKしてもらえるように、頑張らないとな。
そのためには、メモを暗記して格好良く思わず、頷きたくなるようなシュチュエーションで、と」
プロポーズする場所は、彼女と僕のお気に入りの場所で近所にある広い公園内にある小高い丘もあるような広場にした。夕日がすごく綺麗で幻想的で、その時に膝まづいてメモした言葉を言った後、婚約指輪を渡す計画だ。
「よしよしよし! 完璧な計画だ! あ〜やっぱり、緊張するなぁ。うまくいくかな? OKしてもらえるかな〜。
あ〜悩んでてもしょうがない明日の予行演習だ! 」
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