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「えっと……つまり具体的に何か良いことがあるのかな?」
しかし、やはり魔王は頭の中でシュークリームと比べてしまい、少し不遜な言い方になってしまった。魔王は少し反省する。
「我々魔物って強さこそ全てみたいなところがあるじゃないですか。でも実際に戦って序列をつけるとなるとお互いの消耗も激しいので、強さの自慢話の結果でアバウトに序列を付けるみたいな、結構言った者勝ちみたいな序列の付け方だったわけです、今までは」
部下Aは魔王の態度に気が付いていないのか、変わらず話す。魔王は少しほっとした。
「まぁ確かに、俺は瓦8枚割れる、とか皆よく言ってるものな。こいつの方があいつより強そうだ、くらいの感じで適当に序列を付けてるところはあるな、自己申告制というか」
「ですよね。でもそれだと曖昧過ぎますし、口下手な奴が下層のヒエラルキーになってしまうというか、むしろ喋れないタイプの魔物なんて見た目で全部決めていたわけです」
「つまりそれを数値化することで、正確な序列を作ろうと?」
よくよく話を聞けば、悪くない。魔王は、稀に部下達から、どちらが強そうか教えてくれ、と聞かれることがあった。正直、魔王にはそんなことはわからないし、自分の意見で優劣が決まってしまうような、変な責任は負いたくないと常々思っていた。
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