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「この数値化により、より正確な序列が完成しますし、魔王軍の具体的な戦力も把握できるわけです。それに、万が一人間どもの中にヤバい奴が現れたら、早々に対策を打つことも可能となるのです。気付きの早さは即ち行動の迅速さと言えましょう」
「素晴らしい……」
面倒臭い判断による妙な責任から解放されるものであれば、と魔王は喜び、部下Aのプレゼンに拍手を送る。あとでシュークリームを贈呈しようと、心の中で決めた。
「で、どうやって測るの?」
プレゼンを受け、魔王は一気に興味が湧いてきた。
「この棒を脇の下に挟んで2、30秒程待つと、音が鳴って液晶画面に数字が出てきます。それがその者の戦う力です」
なんだか体温計みたいだな、と魔王は思ったが、この際、計れるのであれば形式などどうでもよかった。
「ちなみに、もう試したの? 皆、どのくらいだった?」
「皆、3000とか5000とか、そのあたりが多いですね。血が俺を呼んでいるぜ、みたいにイキッて威張り散らしてた奴いたじゃないですか? あいつが500だった時には爆笑しました。あいつ、雑魚ですね。一発で倒せそうです」
おそらくそれは四天王筆頭にしていた奴だと、魔王は思った。今後の編成は考え直さねばならないのかもしれない。
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