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そんなある日、SNSを見ているとある投稿が拡散されていた。女の子がビルの屋上から飛び降りる映像。怖くてすぐにSNSを閉じた。しかし後で調べてみるとその女の子は親から虐待を受けていて、飛び降りる前に携帯のカメラに向かってそのことを暴露し、飛び降りたらしいということが分かった。女の子は友達とテレビ電話を繋いでいて、その友達にその映像を死後SNSに投稿する様に頼んでいたと言う。友達は約束通り投稿したのだった。 SNSをみるとその子は誰か大人に助けを求めることができなかったのか、なぜ友達は女の子の頼みといえどもそのような動画をSNSに投稿したのか?など様々な議論がなされていた。女の子が短い生涯を終えたことへの残念な気持ち、そのような動画の投稿への否定的な意見が多かった。 でも、わたしは違った。この投稿を見たとき女の子はやりきったっと思った。それに友達もよくやったと思った。たしかに普通に見ればまだ十何年の命が失われるのは惜しいし、悔しいことだろう。それに人が死にゆく動画が拡散されるのはよくない。 でもだ、この動画が拡散されることで女の子の親は社会的に死んだ。虐待した人として見られるようになるのだ。今の時代すぐに特定されるのだから。女の子は親にしっかり復讐を果たしたのだ。
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