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拝啓 残暑も和らぎ、随分と過ごしやすくなりました。 お父さん、お母さんお変わりありませんか。 このように畏ってお手紙を書くのは今回が初めてですね。これが最初で最後でしょう。わたしはこの手紙を書いたら死ぬのですから。  さて、わたしは社会人2年目になりました。あなた方は毎日一生懸命働いているわたしに立派に育ったって言いましたね。わたしだって他にやりたいことはありました。小説が好きなわたしは小説家になりたかった。でも、もしそんなことを言ったらあなた方は絶対に許さなかったでしょう?そんなのうまく行くわけない。「真面目に就活しろ。」って怒ったでしょう?小説家に失礼ですね。わたしはあなた方が満足行くように仕方なく就職して働いているだけです。  あなた方は昔からそうでした。特にお母さん。あなたはいつだってわたしを自分の思い通りにしようとしましたね。「お母さんの言う通りにしていれば間違いない。」それがあなたの口癖でした。でも、知ってますか?それ言う親って「毒親」って言うんですよ。「毒になる親」の略です。あなた方はわたしにとって毒以外の何者でもなかったと思います。「お母さんの言う通りにしていれば間違いない。」ってあなたの生きてきた時代と現代はだいぶ違いますよね。あなたの時代の常識なんて今の時代通用しないことだらけです。それに「自分の言う通りに生きていれば間違いない。」なんてそんな偉そうなこといっていますがあなたの人生完璧でしたか?違いますよね?姑と舅にはかなりいびられてましたね。父もあなたの味方になるどころか気に入らないことがあるとすぐキレてものを破壊するような人です。お父さん、知っていますか?子どもや配偶者の目の前でものを破壊したりものに当たったりする行為「面前DV」って言うそうですよ。あなたは立派なDV男です。そんな人と結婚したお母さん、あなたの言うことを聞いていれば間違い無いだなんて聞いて一体全体誰が納得するのでしょう?ほんと笑っちゃいますよね。  でも、わたしはなぜかあなたのその言葉を信じてしまった。いや、違うと思いながらも逆らえないと思ってしまっていた。その結果、言うことを聞き続けてしまいました。  そしてあなたの言う通りにしていたわたしの人生がどうなったか?最悪でした。自分の思い通りに生きられず、今思うと後悔だらけです。  他にもあなた方、特にお母さんはわたしにいろんなことをしてくれましたね。ここで書ける限り書いて振り返ってみましょうか。
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