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小さい頃はよくわがままを言って叱られていました。みんなが持っているおもちゃが欲しい。この野菜が食べられない。などなど…そのたびにお母さん、あなたに叱られ、短気なお父さん、あなたはその騒ぎにさらに怒ってきましたね。わたしのわがままに怒るというより、わたしの泣き声やお母さんの叱る声がしゃくに触ると言った感じだったのでしょうか?怒ってはよくものを破壊していました。壁を蹴って穴を開けたり、ボコボコにしたり、部屋の扉もボコボコになりました。立て付けが悪くなってうまく閉まらない扉もあるほどです。今でも男性が怒るのは苦手です。少しでも声を荒げられると怖くて固まってしまう。今でもこうなのですから、当時の恐怖心は相当のものであったのだと思います。「母親に叱られる→わたしが泣く→怒った父親が暴れる→恐怖でさらにわたしが泣く→その泣き声にさらに怒った父親が暴れる」の悪循環がよく起こっていました。だから、お母さん、あなたは事あるごとに 「そんなことしたら/言ったらお父さんが怒るから辞めなさい。」 や 「また、家のなかがぐしゃぐしゃになってもいいの!?」 とわたしを脅してきましたね。なぜわがままを言ってはいけないのか、なぜある行為をしてはいけないのかしっかり説明されたことはありませんでした。全ては「お父さんが怒って家の中がめちゃくちゃになる」からでした。子ども叱る時はしっかりなんでそれがいけないことなのか説明する必要があるって知ってますか?そうすると納得するんですよ。そして同じ失態を繰り返しにくくなる。怒られるからダメでは意味わかりませんよね。当然同じような失態を繰り返すようになるはずです。それによく子育てのコツに両親両方で叱ってはいけない。どちらかは味方してあげないといけない見たいなのってなかったでしたっけ?お母さん、あなたもよく二人で叱るのはよくないと言っていましたよね?でも、あなた方は二人ともいつも一緒に怒ってきましたね。一度だってどちらかが怒られているわたしに言い分をゆっくり聞いてくれたことなんてありませんでした。お母さん、あなたは自分が正しいと思い込んでいるのでわたしの話は全く聞きませんし、お父さん、あなたは気に入らないことが有ればすぐに暴れますからね。この頃から両親には気軽にものをねだったり、何かしたいと伝えたりと言った自分の要望や気持ちを伝えることが出来なくなっていったのだと思います。親の顔色を見て動く、そうすれば家はぐちゃぐちゃにならず、怖い思いをしないで済む。そう学んだのでした。
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