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王道学園に編入します!
私立桜華学園
幼稚舎から大学院までのエスカレーター式の一貫校であるこのお坊ちゃま学校の高等部編入試験に僕、『水瀬 遥』は晴れて合格した。
自分で言うのもなんだが、僕はいわゆる『いいとこのお坊ちゃんで、割と自由な次男坊』だ。
人の上に立つのに、庶民の価値観・生活が分からないなんて言語道断。という家の方針で、中学までは普通の公立校に通っていた。
でも高校はきっとおにぃが通っていた、叔父さんが経営している全寮制の男子校にぶち込まれるんだろうって分かってたから中学3年間、そりゃもう自由に遊んだ。
幸い僕は地頭がよかったみたいで、普通に授業を受けていればテストでいい点は取れたし、僕と5歳離れている長男、水瀬 蒼の学生時代が破天荒過ぎたおかげ?で、思春期なんてそんなものだって、テストの点さえ良ければ割と放置されてたからね。
これだけ自由にさせてもらったのは破天荒なおにぃ様様なのかも、なぁんてね。
桜華学園の編入試験のレベルは高いって噂だったから、中3の時はさすがに勉強したけど。
当時桜華学園高等部1年生だったおにぃは、寮から脱出して夜な夜な喧嘩に明け暮れて、【緋彩】っていう辺り一体を纏めてた族の総長にまで上り詰めた上に、当時まだ10歳だった僕をたまり場に連れて行って鍛えてたって言ったらおにいの破天荒具合が分かってもらえる?
おにぃ的には僕が可愛くて心配だから強くなって守れる男にならなければ!って思って街で悪そうな奴を相手に暴れてたら何故か総長にまでなってたらしい。
でも自分は全寮制の高校に通っているから、ずっとそばでは守ってやれない!よし!遥に自衛手段を叩き込もう!!って思い付いて、僕を溜まり場に連れて行ってたらしいんだけど、最初はピアスジャラジャラの怖そうなお兄さんばっかりで本当に怖かったからね。10歳には刺激が強すぎると思う。
まぁ結局、緋彩の怖そうだと思っていたお兄さん達は僕の事を気に入ってくれたらしく、めちゃくちゃ構って甘やかしてくれて、おにぃの他にもたくさん兄が出来たみたいですぐに大好きになったからいいんだけどさぁ…。
おにぃ、めちゃめちゃ頭いいのに僕が絡むと急に馬鹿になるのなんなんだろ?
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