【完結】…彼初訪問前夜…

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素敵なワンピースに着替えた後…迂闊にもそのまま眠ってしまい…完全に私にとって一番大事な…毎日のルーティンワークのメイクを失念していた… だって、掃除の途中は、鏡で自分の姿を確認する時間もなかったのだから…。 彼に見られた、初めてのすっぴん…  能面のようだと… 何度、子供の時にからかわれて虐められたか…。 大人になってからは今までただの一度も…    人に見せたことがない素顔…を、よりにもよって彼に… メイクの技術もあって会社では凄い美人だと評判で…  モテ続けてきた私…  …だったけど…             ガラガラガラガラ… 彼だけじゃなく… 私を支えていた自尊心のようなものが、       音を立てて崩れてゆくのがわかった。 彼の驚いた顔 ひきつった笑顔…  彼はあんなにもいい人だったのに…逃げるように階段を降りて行った…。 部屋を間違ったかと表札を再確認するほどに…別人に見えたのだろう…。 人間は顔じゃないと…どうやらそんな風には思ってくれなかったらしい…。
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