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しばらくして、ピンポンパンポン♪と校内放送のチャイムが鳴った。
「文化祭実行委員からのお知らせします。2年C組 本宮 真一くん、2年C組 小川 紗季さん、中庭特設ステージまでお越しください。繰り返します。2年……」
えっ、何!?
私は耳を疑った。
なんで呼び出されてるの!?
私が目を丸くして顔を上げると、驚いた顔で見つめる本宮くんと目があった。
「何だろう?」
本宮くんが首を傾げる。
「んー、何かな?」
私も同じように首を傾げる。
「あ、もしかして、応援団を集めて何かやったりするのかな?」
私はふと思いついたことを口にする。
「何かって?」
本宮くんは興味深そうにこちらを見る。
「分かんないけど、大声選手権とか?」
私は思いつくままに適当なことを言う。
「ハハハ、それもおもしろそうだな。それなら小川に負けないように頑張らなきゃな」
本宮くんは楽しそうに笑う。
「じゃ、みんなを待たせてもいけないから、急いで行こう」
本宮くんが腰掛けてた机から立ち上がるのに合わせて、私も席を立った。
私たちは並んで階段を降りて中庭へと向かう。
私たちが中庭に出ると、
「来た〜!!」
「来たよ!」
と歓声が上がる。
なに!?
驚いた私は思わず足を止める。
それに合わせて本宮くんも足を止めて振り返る。
「小川?」
喧騒の中でかすかに本宮くんの声が私を呼ぶ。
「なに、これ?」
戸惑う私が呟くと、本宮くんは
「小川、どうした?」
と、少し屈んで心配そうに私の顔を覗き込む。
すると、周囲から、
「キャーーーー!!!」
というそれまで以上に大きな歓声が湧き上がった。
なに!?
訳が分からなくて、私はキョロキョロと周りを見回した。
すると、ステージにいる実行委員の男子がマイクを通してみんなに話しかける。
「あ、どうやら、本宮 真一くんと小川 紗季さんが来てくれたみたいですよ! お2人ともどうぞこちらへ! 皆さん、大きな拍手でお迎えください!」
と同時に周囲から拍手が湧き起こる。
は? 拍手!? なんで!?
私の中の戸惑いは増すばかり。
「小川、よく分かんないけど、ここにいても仕方ないから行こ」
本宮くんに促されて、私たちはステージに向かう。
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