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─明日は結婚式だ。あなたの晴れ舞台で人生で最高な日。今日はいつもより忙しくなるし、あなたは、少しそわそわしている。僕はいつもあなたの近くにいる。僕は、幼稚園も小学校も中学校も高校も一緒の幼なじみで、あなたの彼氏なのだ。僕はいつもあなたから"ゆうくん”と呼ばれる。
「明日かー結婚式」
「そうだね…いよいよ明日だね」
気の抜けた声でそんなことを言いながら、窓の外を眺めるあなたは少し嬉しそうで、少し寂しそうだった。窓は外の寒さと中の暖かさで結露し、曇っていた。窓に指で丸や三角、四角をなぞり少し楽しむあなたの姿は、まるで雨の日を楽しむ子供のようだ。僕は相槌を打つ他ない。
「今日はいつもより忙しくなるぞー!頑張ろうね!」
「うん…頑張ろう」
あなたは、自分に喝を入れるように背伸びをしながら明日に向けて準備をし始める。家の掃除や家事をするあなたは昔と変わらず少し不器用で、それでいて繊細なのだ。いつもと変わらず僕はそれを見ているだけなんだ。本当にダメなやつだよね僕は…。
「あー終わったー!」
あなたは、一息つくとすぐさま出掛ける準備をした。少し化粧をして車に乗り家を出た。
僕は後ろに乗りついて行き僕は、あなたについて行く。向かった先は式場だった。明日のために最終確認や準備をするのだ。
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