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あなたの結婚前夜
式場に着き打ち合わせなどを着々と済ませる。僕はすることがないのでただ見ているだけだった。すると、明日着るウェディングドレスを試着することになった。
「なんだか恥ずかしいなぁ」
あなたは、少し頬を赤らめながら言う。その表情はとても可愛らしく愛おしい。僕は緊張と期待が交錯し合った。そわそわしながら僕はあなたが来るのを待った。僕の感情を置いていくようにあなたは来た。
「どうかな?似合ってる……?」
僕は、言葉が出なかった。僕の心を押し潰された感覚だ。感情を打ち消された。あなたのその姿は、白き桜のように可憐でシリウスのように眩しかった。
「白い桜みたいだ…」
思わず僕はそう言った。だが、聞こなかったのか反応はなかった。ドレスのまま最終確認をした。確認も終わりあなたは、もとの服に着替え直したがまだ少し余韻が残っていた。式場を後にし昼食を食べるため近くのファミレスに足を運んだ。店へ入り席に座る。
「何食べようかなー」
あなたは、そう言いながらメニュー表をパラパラめくっていき迷いながら店員を呼び止めた。
「ご注文は?」
「ハンバーグランチで!」
声高らかにそう言ったあなたは昔と変わらない。昔からハンバーグが好きでいつも迷ったらそれだった。高校2年のとき二人で遠出をした。その帰りにレストランに寄って夕食を食べたときも、何十分も迷ったにもかかわらず結局ハンバーグにしたこともある。それは、何年経っても変わらない。
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