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少し時間が経ち店員さんが料理を運んできた。ハンバーグランチのいい香りに食欲をそそられているあなたの表情は子供のようで微笑ましかった。
「いただきまーす!」
そういいあなたは美味しそうにハンバーグを口に頬張る。無邪気なその表情は子供のようでどこか大人びていた。あなたは、食べ終わり少し経った時、寂しそうな表情で喋った。
「あぁ…昔に戻りたいなぁ」
さっきの表情とは一変した顔でそう言葉を発するあなたは、ほんの一瞬とても悲しい表情に見えた。僕もあの頃に戻りたいと思ったが言葉に出来ないまま時だけが過ぎていった。
「私昔は、めっちゃアホだったんだよ」
あなたは、自慢げに言う。なぜ僕にそんなことを言うのか。そんなこと昔から知っているというのに。あなたのことは、なんでも知っている。何が好きで何が嫌いかどんなことをしてきたかなんでも知っている。たしか前にもこんな話になった覚えがある。高校3年のときだろうか一緒に食事を食べてる時だった。あなたが、「あー昔に戻りたいー!」と言ったのを覚えている。しかし、その時は楽しく笑い話で終わった。
「本当に…戻れたらなぁ」
あの時とは違った。あなたの表情は悲しく僕もなぜか切なく思えた。少し沈黙が続いたがすぐに表情は戻り笑顔になった。その後、お会計を済ませ車に乗りそのまま車を出した。さっきのあなたの表情が気になったがそのままにしておくことにした。
車に揺られながら時間が経ち夕方になった。どこかへ向かってるいるがどこに行くかは分からない。しかし、あなたの表情はどこか哀しそうだった。少しすると車は、どこかに到着した。そこは、墓地だった。
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