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番外編 夏祭りの約束 10
🐺和哉視点です。子どもの頃から筋金入りの執着攻め、和哉は年を追うごとに、どんどんしつこくなっていくタイプだと思います。
それともしも和哉たちの他のお話しとか、蜜希とか咲哉が大きくなってからのエピソードとかご覧になりたいなどございましたらお声頂けたら嬉しいです。励みになります💕
柚希自体は気がついていないようだったが番の和哉には分かる。祭りの会場にいるあたりからもしかしたらと思っていたが、柚希の醸すフェロモンの濃度が和哉を誘うように高まり、発情期にさしかかっているのだと。前回の発情期から二か月あまり。普段なら三か月過ぎる頃にやってくるのだがこの頃の忙しさで身体の調子が悪いのか、不順になっているようだ。
番になって、二人の子の親になってから、柚希はかつて少年時代の和哉にしてくれたように細やかな愛情を我が子に注いでいる益々素敵な大人になった。だが番になった当初のように素直に自分の気持ちを表現しなくなり、和哉に甘えてくることも少なくなったのが寂しい。
だからさっき和哉が手を繋いだらシャボンのように爽やかな香りがふわりと濃くなり、時折甘えるような仕草や目線が久しぶりで、本当に愛おしくてたまらなくなった。
幼い頃からずっと、柚希から愛され心身ともに彼を支えてあげられる大人になりたいと思っていた。
願いが叶い愛する人と並んで歩いても誰も何の文句も言わなくなったし、むしろ似合いの二人だと褒められることも多くそれが誇らしかった。
柚希自身、色々な問題が起ると敦哉や桃乃より、パートナーとして和哉を頼り相談をしてくれるようになった。しかし和哉の中ではたまに猛烈に、番に自分だけを見つめて欲しい、沢山自分を求めて欲しいという、誰にも言えない仄暗い欲求が首をもたげることがあるのだ。
(昔の自分ならば何を贅沢なって思うだろうな。兄さんと番になれただけで、どれだけ果報者なんだって)
なのにどうして、全てを手に入れたと思った番を困らせるほどに求めつくし、喰らいつくしたいと思う欲を抱えたままなのか。
(自分でも分からなくなる。柚希のことが愛おしすぎて、何を置いても僕を優先して欲しいなんて我欲を通した衝動に駆られてしまうなんて)
「ここじゃ、やだ!」
しかし今、赤く艶っぽく色づいた唇をわなわなと震わせた、柚希の濃艶を極めた美しい顔は、強い意志をもってαである番を従わせようとしてくる。
こんな時、和哉はαがΩを支配しているのではなく、己が柚希の愛の下僕であることを思い知るのだ。
「あーもう、頑固! そういうとこ、蜜希そっくり、降参だよ。僕が限界、女王様。後でちゃんとベッドへエスコートするから今ここで、僕に許して」
「……っ!」
柚希とて限界が近いのだ。頷いたつもりはなかったようだが、すでに身体はふらふらで、頭がたまたまがくんっと下に下がってしまった。
「いいんだね?」
それをみた和哉はもはや腹につき、筋が浮くほどに高まった自らを一気に柚希を貫いてきた。
「あああっ!、あっ、あん、あんっ!!! あああ」
柚希はもはや声を止められない。和哉が嗜虐的な興奮に苛まれながら柚希の腰を鷲掴みにして遠慮なく柚希の良いところを抉るように腰を打ち付ける。
「ほら、柚希だって、待ってたんでしょ? 僕を食んで飲み込もうとして、離さないよ?」
「やああ!!! だめぇ」
再び前で放ち、目の前に星が飛び散るほどの愉悦に頭を支配されながら、柚希はなんとか壁に手をついて自らを支えようとする。しかしほどなく床に崩れていった。
ずるりと硬く長大な和哉のものが一度引き抜かれた時の衝撃で柚希は息を整えられぬまましどけなく湯舟の淵に腕をかけて床に尻をつけて座り込んだ。男二人には狭い浴室の濡れた床の上、白い腰をねじらせ長い脚を崩す姿があまりに悩ましく、まるでうねり崩れる白い蛇のようだ。柚希は時折無防備で、こちらの要求を全て飲んでくれそうな優し気な雰囲気を醸し出す。今がまさにそんな風な危うい色香が立ち上って美しい横顔が苦し気に眉を寄せるのすら悩ましい。
和哉は魅せられたように番の赤い唇から舌を覗かせ、吐息を零す婀娜っぽい貌を見おろしながら、形良い唇の縁を無意識にぺろりと舐めた。
(ほんと、どうにかしてやりたい)
シャワーの湯が未だびしゃびしゃと叩きつけられる蒸気の息苦しさに肩で息をし喘いだ柚希をみて、和哉は興奮に頭を支配されたまま、フーフーと荒い息を漏らす。湯を止めると先ほどの猛攻で薄っすら桃色に染まった柚希の腕を掴んで無理やり立たせると、風呂の縁に手を突かせた。
「え……カズ?」
和哉は大きな身体で戸惑う声を上げた柚希に覆いかぶさり、柚希の腰を引き上げると、自らは膝をつき丸く薄っすら桃色に染まった尻に息を吹きかけた。そしてぬかるむ蜜壺の淵に長く厚みのある舌を這わせていった。
「それ、やだ。汚い、からあ」
その行為を苦手とする柚希がまた長い脚で後ろにいる和哉の足を蹴り上げようとするが流石に力が入らずただされるがままふるふると尻が震え、またゆるゆると立ち上がった前の鈴口の辺りをくるくると回るように刺激されたのでひっきりなしに切れ切れの嬌声を上げ始めた。
「あ、あ、あっ……」
羞恥を煽られ、涙を流す柚希を苛むのが楽しくなってきた和哉はわざと柚希の真っ白な尻と噛んだり、落ち切らぬ石鹸や愛液滑る足の間を撫でまわしたりとやりたい放題だ。
「綺麗にするからお風呂でしてるんでしょ?」
「やだ、やだ、やだ」
「頑固な柚希がもっと、ぐずぐずになるまでやるから」
そういって再び舌でじゅる、ぴちゃりと菊門を舐め上げて舌でこじ開けようとしたら、柚希はふるふると柔らかな尻を震わせ、湯船をびしゃびしゃと叩いて泣き声をあげる。
「カズ、やめて!」
柚希の身体の震えが興奮と恥辱と愉悦に浸されそれでも抗おうとしているのだと和哉は感じてひくつく皺を広げるように舌をさしいれる。
「ひうっ、やだやだ」
「……じゃあ、舌じゃないもの、またいれちゃうよ? それでいい?」
「……カズのばか、負けず嫌い」
普段は口にしないほど乱暴な言葉で和哉を詰りってきたから、和哉が揶揄いがもはや本気になってさらに舌が奥までさせていく。弾力ある太ももをぎりっと掴み上げ、わざと音を立てて抜き差しを繰り返したら、柚希がきゅっとそれを締め付けてくる、その恥ずかしさから柚希がまた喚き散らして興奮から無意識にぶわりっとまたフェロモンが強く薫る。和哉はうっそりと目を細めて返答をせかすようにサディスティックにぴしゃり、と柚希の尻を平で音だけ大きくなるように打った。
「ひっ……! わかったぁ、いれろよぉ」
「いいよ。いれたげる」
男らしい台詞を言い放って年上の沽券を見せつけるつもりが語尾が震えている柚希にまた興奮を煽られて、和哉はべろっと柚希の臀部を舐め上げてから立ち上がると、そのまま柚希の腰の下の方を手の跡がつくかもしれぬと思うほど強い力で両手で掴んだ。そのまま尻たぶを打ち広げるようにすると、番を向かい入れる準備が十二分に整った蜜壺からとろとろと愛液が溢れ出す。
遠慮なく肉襞を割り、自らを埋めていくと、湯船の縁を掴んが柚希の手が真っ白になるほどぎゅっとそれを掴み上げる。腰を進めていけば行くほど、しっとり絡みつく柚希の中に目が眩むほどの快感が突き上げてくる。
「気持ちいい……。柚希の中、ぬるぬるって、熱い」
「やあ、んっ!」
湯船についた柚希の手の上から指を絡めて重ねて腰を打ち付けていくと、肉が当たる破裂音と柚希の切れ切れの嬌声が風呂場に反響し、蒸気に交じった芳香が悦楽どんどん高め、さながらシンフォニーのように盛り上がっていく。
「柚希、好きだ。愛してるっ!」
「んっ、んっ……ああっ」
何度も告げた言葉だが、少しだけ日に焼けた首筋にむしゃぶりつきながら囁けば、返事をするように柚希の奥がきゅんっと吸いついてくる。しかし柚希自身は声を上げて髪を振り乱し、たまに行き過ぎた愉悦に腰が逃げを打つのを和哉は筋肉が適度についた長い腕で引き寄せ逃がさずわざと柚希が泣くほどに感じる場所を立て続けに擦り上げた。
「ひああっ!」
「柚希、僕だけを見て、僕だけを感じて」
あんなに労わり愛し、大切に優しさばかりを捧げたい相手だというのに、どうして全てを食らいつくして飲み込み腹に収めてしまいたくなるほどの激情に駆られてしまうのか。自らのα性に呑まれることを良しとしないくせに、本能のままに柚希を求めることで脳が痺れるほどの愉悦に浸ってしまう。
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