4人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
無情にもフローリングの床の目に入った芯は拾えない。
砕けた芯も使えない。
シャーペンの芯は、ある程度の長さがないと使えない。
使えるかどうか分からなくなった微妙な長さの芯を
「あーあ、お前が素直に渡さないから」
という意地悪な男子の言葉と共にみじめな気持ちで拾った。
「ちゃんと拾わないと床が汚れるだろ。お前の芯なんだから、お前が拾え」
と言われ、床に跪きながら涙が溢れた。
それを真理ちゃんが見かねて、先生に言ってくれた。
先生は私と男子の話を聞き、男子に注意してくれたのでそれから男子は私にモノを借りなくなって苛めは終わった。
だから、男子は私を苛めてた認識はなかったのかも。
本当に毎日シャーペンの芯を借りただけ。いつか買ったら返そうとほんの少しは思ってたのかもしれない。
でも、本当のことは分からない。そのいつかは永遠にこなかったかもしれない。
とにかく、真理ちゃんのおかげで私は苛められなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!