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来客
とある商店街の裏路地にひっそりと店を構える”かこや”と平仮名で書いてある提灯だけがある店。
毎晩0時になると明かりが灯り、それ以外は開いていない。いつからそこにあるのか、どんな店なのかは誰も知らない•••。
ーーーーーー
俺は安斎靖弘。
パチンコ店の雇われ店長で、仕事が終わるのはいつも深夜0時過ぎ。
こんな生活をもう何年も送っている。
気がつけば30歳になっており、勿論結婚もしていない。
パチンコ店は客の質も悪いし、店員のほとんどが近くの大学生バイトであり、事務仕事から雑用までほとんど俺が取り仕切ってる。
そんな日々に疲れは溜まる一方•••。
完全なブラックだ。
今日だって本当は、中学校の頃の同窓会に誘われていたが、店を任せる人がいない為に当然パスした。
どちみちもう0時過ぎだ。間に合わない。
そんな事を考えながら、ふと入った裏路地の通りに淡く光る提灯がぶら下がった店があった。
こんな時間に店がやっているのか?
なんの店だ?腹も減ってるし、飯屋ならちょっと寄ってみるか•••。
店の前に立つと、提灯に”かこや”と書いてあるだけで、他に情報は無い。
店構えは、和風と洋風がごちゃ混ぜになった異様な外観である。
俺はとりあえず入って見ることにした。
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