借金男

1/6
前へ
/24ページ
次へ

借金男

暗い夜道を全速力で走っている一人の男。 「てめぇ、待てコラ!!水上(みずかみ)!」 「うるせぇ!払える金なんかねぇんだよ!!」 くそっ!こんな夜遅くに取り立てに来やがって! 早くどっかに隠れないと体力もたねぇ!! よし!あの角を曲がって巻いてやる!! 「うおっ!!」 曲がった先にはゴミ箱が置いてあり、俺は勢いよく転倒した。 「痛って!ふざけんな!このやろ!」 倒れたゴミ箱を思いっきり蹴飛ばし、怒りが込み上げてくる。 そうしてる間にも、追っ手の足音が近づいている。 「やっべ!どっかに隠れねぇと•••」 辺りを見渡すと、一軒明かりのついた店がある。 あれだ!あそこに一旦隠れよう! 俺は急いで店のドアを開けて中に入り、内側から耳を立て外の様子を探った。 「おい!まだそんな遠くに行ってないはずだ!探せ!!」 店に入ってある事に気が付いた。 明るいのはこの店だけだ!この店にも入ってくるじゃねぇか!! しかし、連中はしばらく店の前で騒いでいたが店には入って来ず、どこかへ去ってしまった。 「なんだあいつら。意外と間抜けだな。」 安堵して溜息(ためいき)を吐き、店を見渡すと誰もいない。 「なんだこの店。誰もいないのか?」 辺りを詮索していると、奥に一つ部屋があるのに気が付いた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加