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しばらく待っていると、老紳士は何やら皿を手に乗せ持ってきた。
お?飲食店ってのは間違いなさそうだな。
そう思い、置かれた皿の上を見ると、スプーンの上に水が注がれてるだけ。
「おいおい!じいさん!なんだよこれ?馬鹿にしてんの!?」
待たされた挙句に出てきた物が変な水って•••段々と苛立ちが込み上げてくる。
「それはキッカケで御座います。」
「はぁ?なんだよそれ!俺は腹が減ってんだよ!どうせなら腹の膨れる物よこせよ!!」
怒鳴り睨みつけるが、老紳士は眉ひとつ動かさない。
そんな俺を見て老紳士はゆっくりと口を開いた。
「当店飲食店では御座いません。」
「なんだと?じゃあ一体なんの店なんだよ!」
「はい。当店”かこや”で御座います。」
「かこやぁ?なんだよそれ。」
店の名前を聞いてもサッパリ想像もつかない。
遠回りな言い方をしてくる老紳士に、俺も苛立ちが隠せなくなっていた。
「おい!じいさん!詳しく説明しろよ!」
再び怒鳴り、今度は机を叩いてみせた。
やはり微動だに動かないが、老紳士も諦めたのか説明を始めた。
「当店は貴方様の記憶を元に過去へと旅する店となっております。そのキッカケとなるのが、その水に御座います。」
「過去に戻る?これを飲めば過去に戻れるって事か?馬鹿馬鹿しい。もうちょいマシな嘘つけよ。」
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