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「そうですか。では今日の所はお引き取りを。」
あ?やけにあっさり引き下がるな。
詐欺かと思ったが、そもそも金も要らないんだっけか?
「おい、じいさん!仮にその話が本当だとして金も貰わないだと?じいさんに何の得がある?」
「それは申し上げる事は出来ません。」
ふん。引っかかったな。その言い方だと得はあるって事か。そーなると少し信憑性が出てくるな。
「まぁいい。試すだけだからな?」
俺は半信半疑でスプーンの中の水を啜った。
ーーーーーー
右頬に強い衝撃が走る。
「ぐあっ!」
なんだ?何が起こった?
口の中が切れて血の味がする。殴られたのか?
誰だ!?俺を殴った奴は!!
「これがダチとしての最後の注告だぞ?いい加減目を覚ませ!」
あ?何言ってやがる?
俺を殴った奴の方向に顔を向ける。
!!!
「豪!?豪じゃないか!!」
それは俺の人生の中で唯一心を許せる友だった。
だが、俺は豪に金を借りようとして絶交したはず•••これは紛れもない俺の過去だ。
「豪すまねぇ!あの時は•••俺、お前がいなくなってから心配してくれる人なんて居なくなっちまった。」
俺は豪の足下で縋るよう泣き崩れた。
「そう思うんだったら、ギャンブルなんて辞めてすぐに働け!!」
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