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家出少女
•••私は今幸せなのだろうか。
これから先、幸せになるのだろうか•••。
「真帆!!また学校に行かなかったでしょ!!今学校の先生から電話あったわよ!」
「•••うるさい。」
母に向けて放った言葉は、何倍にもなって返ってくる。
「うるさいってなんなの!!アンタが学校も行かずに、外ほっつき歩いてるから言ってるんでしょ!!」
「あー、もう!!うるさいって言ってんの!」
私は家を飛び出した。
後ろから母の声がするが、振り返らずに夜の暗闇にひたすら走った。
私の家は、私が五歳の頃に父が病気で亡くなった。父は小さな医院の町医者であったが、自分の病気より他人の病気を治す事に一生懸命になり、その結果、癌の発見が遅れて亡くなった。
それから十年経ち、私は中学生になりグレた。
別に意味なんてない。ただ退屈な時間が増えただけ。
父が亡くなり、母は近所のスナックで働くようになった。
母との時間がすれ違えば、心も通わなくなる。
一人の時間が増えて、気づけば不良と呼ばれていた。
別に他人からどう思われようと構わない。
一番身近な人にさえ、どうも思われていないのだから•••
夜の街は好きだ。
光のある場所を嫌い、はみ出し者達が群がる。
そんな混沌が渦巻いている。
私も同じだ。
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