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「御免下さーい。」
中に入るとテーブルや椅子などは置いておらず、壁に色々なポスターが貼ってあるだけであった。
一見、年代物のポスターかと思うと、中にはつい最近の物まで世代バラバラに貼ってある。
「飯屋じゃないのか•••?」
ポスターに見入っていると、突然後ろから声がした。
「いらっしゃいませ。」
「うわっ!!」
驚いて後ろを振り返ると、そこには身なりの整った執事の様なおじいさんが姿勢よく立っていた。
後ろに流すよう整えられた髪の毛は真っ白で、蓄えている口髭も白髪である。
身に付けている物は高そうな物ばかりであった。
「驚かせてしまい申し訳ありません。当店私一人の為、入店に気付きませんでした。申し訳御座いません。」
そう言って深々と頭を下げる老紳士。
「いえいえ!こちらこそ勝手に入ってしまいすみません!ところで、この店ってなんのお店ですか?」
質問を聞き顔を上げた老紳士は笑みを浮かべた。
「はい。当店名前の通り”かこや”で御座います。」
かこや?かこってなんだ?
やっぱり食べ物なのかな。
「あの、かこって•••?」
「はい。それではご案内致します。」
老紳士に尋ねてみたが、質問を聞かずに無理矢理、奥にある個室へと案内された。
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