家出少女

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なんの店なのかは分からなかったが、外は寒いしこの際なんでも良かった。 「では、こちらに。」 老人が案内した部屋には机と椅子が一組置いてあるだけ。 とりあえず腰を掛けると老人は一礼して部屋を後にした。 真子に電話して場所を伝えようと携帯を取り出すと何故か圏外になっている。 「えー!嘘!?携帯使えないんだけど!?」 仕方なく外に出て電話を掛けようと立ち上がると、扉が開き老人が戻ってきた。 「ちょっと、お爺さん?ここって電波通じない訳?」 「左様でございます。この部屋は電子機器などは一切取り扱い出来ません。」 「まじ?ってお爺さんそれ何持ってんの?」 老人は手に皿を持っている。 皿を覗くとひと匙のスプーンにスープの様な液体。 「あ、もしかして味見して欲しいとか?」 そう言って私は勝手にスプーンを口に運んだ。
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