家出少女

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ーーーーーー ••••••あれ?真っ暗? 停電かな。 ••••••なんか、窮屈じゃない? そう言えば身動きが取れない。 金縛りってやつ? おじいさんどこ行ったんだろ。 「•••ぇは、まぉぇんぃぃ」 なんだろ?声がする。 遠い様で近いところからくぐもった声がする。 あ、••••••なんか温かい。 そう感じた次の瞬間に眩しい光に体が包まれた。 うわっ!なに!? 「ほぎゃぁぁー!ほぎゃぁぁー!」 !!? なに!?私の声? 声が勝手に••• こんな声出そうとしてない!! それに視界が狭い? うわっ!眩しい! 「••••••真帆。はぁ•••はぁ•••よく頑張ったね。」 え?••••••お母さん? なんで?抱っこされてるの? ガラス戸に映った自分の姿に驚愕した。 母の手に抱えられているのは元気に泣き叫ぶ赤ん坊の姿だった。 これが••••••私!? 私赤ちゃんに戻ってるの!? これってもしかして私が生まれた日•••? 母は泣き叫ぶ赤ん坊姿の私に微笑んで目を閉じた。 お母さん? 突然産婦人科の医師が叫んだ。 「心拍数低下!!緊急措置に入る!」 母の顔色がみるみる真っ青になっていく。 そう言えば子供の頃に母から聞いたことがある。 私が生まれた時の話。 母は私を出産するのに十八時間にも及び、出産した後も低血圧で丸一日も集中治療室から出られなかったらしい。
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