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子供の頃はあまり大変さがわからなかったが、こうして目の前で起こった母の頑張りを見てしまうと胸に熱いものが込み上げてくる。
お母さん!頑張って!!
声にならない声を心で叫んだ!
一瞬目が合って微笑んだ様に見えた。
赤ん坊の私に気丈に振る舞う母の姿。
これが過去だとするのなら、母はこの後無事に退院するはず•••。
赤ん坊の私は医師に抱き抱えられ、手術室へと運ばれる母を目で追った。
お母さん••••••
ーーーーーー
気付けば元の部屋へと戻っていた。
「お帰りなさいませ。」
おじいさんが声を掛ける。
私は不思議な体験にしばらくボッーとしていた。
頭は母の事でいっぱいだった。
「おじいさん•••なんかよくわかんないけどこれっておじいさんのお陰なのかな?大切な事が少しわかった気がする。ありがとう。」
老紳士はニコリと笑って一礼した。
店を後にして携帯を見ると、着信が溜まっている。
あ!真子!!忘れてた!!
急いで真子に電話する。
「もしもし!?真子?ごめん。電話気づかなかった!」
「•••それはいいんたけど。真帆。落ち着いて聞いてね?」
「ん?どうしたの?」
「真帆のお母さん••••••」
「お母さん?お母さんがどうしたの?」
「事故に遭ったって••••••」
「え?•••何言ってんのよ。だってお母さんは家に•••。」
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