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宇佐美はそう言って、缶のコンポタージュを渡してきた。
「あ!」
「ん?どうした?」
そうだ!さっきあの店で飲んだスープ。
どっかで飲んだ事あると思ったけど確かこの味だ!!
俺は確かめるべく、蓋を開けて口に流し込む。
やっぱりそうだ!
この味は部活終わりの帰り道に、よく宇佐美と二人で買って飲んだ懐かしい味だ。
ん?部活終わり•••?
一つの思考が頭をよぎった。
「お、おい!宇佐美!お前今いくつだ!?」
「なんだよ急に•••15だけど。お前だって同い年だろ??」
やっぱり!ここは俺の過去だ!
“かこや”のかこって過去って事か!!
「なぁ、安斎。俺達、別々の高校に行っても選手権大会で絶対会おうな!!」
そう言えば宇佐美とそんな約束したなぁ。
この時はサッカーに夢中になってたっけ。
他県からスカウトされて、プロ目指してだんだけどなぁ。
結局高校一年の時に膝を故障して、俺はサッカー辞めちゃうんだよな•••。
「なぁ、宇佐美。もし、その夢叶えられないって言ったらどうする?」
こんな事言ったら宇佐美怒るんかな。
宇佐美は一瞬眉間にシワを寄せたが、その後すぐ笑顔を見せた。
「安斎にとって選手権は絶対叶えられる夢なんか?」
「え?いや、そんな事ないけど•••」
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