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告白
「先生、好きです。付き合って下さい!」
誰も居なくなった教室で私、城田沙希は担任の北川佑樹先生に告白した。
長い手足に短い黒髪、目は二重で鼻筋の通った爽やかなイケメン教師。
先生は片手で前髪をクシャッと困った様な顔をした。
爽やかで優しそうな外見とは違って、先生はどちらかと言うと冷たい。
だから、玉砕覚悟だった。
絶対に付き合っている人がいるし、高校生の私ではストライクゾーンにも入らないって言うのはわかってたから。
先生は私と向き合っていたが、目線を逸らし大きな溜息をついた。
そんな大きな溜息をしなくてもいいのに…。
先生は私を真っ直ぐ見て言った。
「無理。君達、学生の本分は勉強だ。
それに、城田は高校3年生だろ。
大学受験を控えて恋愛にうつつを抜かす前に、少しでも勉強を頑張れ。」
「頑張ってるよ。」
「だったら…」
「私、真剣なんです。」
「君はまだ、狭い社会しか知らない。
これから広い世の中を知れば、自然に俺の事も良い思い出になる。」
私は先生の言葉に、何も言えなかった。
先生は踵を返して教室から出ようとした。
私は思わず先生の袖を掴んで言った。
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