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「広い世の中を知っても、先生がずっと好きだったら私を受け入れてくれますか?」
諦めない私を呆れたような顔で見下ろした。
「はぁ〜。
受け入れる前にスタートラインに立てたくらいじゃないのか?」
「私って、スタートラインにも立ててないの?」
「当たり前だ。高校生なんだから。」
「先生はボンッキュッボンが好きだから?」
「意味がわからない。」
「これからの私の成長を見て欲しいの!」
「もう成長が見られない気がするが…。」
私の少ししか膨らんでいない胸を見て言った。
私は掴んでいた先生の袖から手を離して、胸の前で腕を交差した。
顔が赤くなっていく。
なんのこれしき!絶対に諦めない!めげない!
「先生の変態!
胸の成長じゃなくて、人間的な成長を言ったの。私、諦めないからね。」
「はいはい。
城田、気をつけて帰れよ。」
先生は片手で手を振ると、教室を後にした。
最初から玉砕覚悟だったけれど、涙を堪えた。
「諦めないんだから。泣いたら…」
私は涙を抑えられず、教室の片隅でこっそり流した。
私の想いは本気なんだって、わかってもらえなかった。めげないんだから!
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