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それから、私は勉強を頑張った。
もちろん、人一倍!
理由は先生に褒めて欲しいから。
大学は希望の私大へと、早々に決める事が出来た。
そして、勝負のバレンタインデー。
職員室へ行くと北川先生の前には、女子生徒が続々とやって来ていた。
今チョコをあげないとチャンスは無いかも知れないけれど、放課後になってギリギリまで待ってからあげようと教室へと戻った。
放課後、暫くすると教室は誰も居なくなり、職員室へと向かおうとすると先生がやってきた。
「戸締りをしに来たんだけど、まだ居たのか。」
「うん、先生にあげたくて。」
私は先生の側に寄って可愛くラッピングしたチョコを差し出した。
甘い物が好きなのかは知らないから、手作りにはしないで有名なお店のビターチョコを渡した。
「はい、先生。食べてね。」
「おっ!ビターチョコ。
甘い物が嫌いだから、ありがたいな。
ありがとう、城田。」
「先生に私の想いをギュ〜ッと閉じ込めたから。私を想像して食べてね!」
「想いじゃなくて、念を込めたんじゃないのか?」
そう言うと私の頭を優しく撫でてきた。
子供の様な扱いに、少しの怒りを覚えた。
若干イライラしながら私は言った。
「もう〜、髪が乱れる!」
「早く帰れ。」
「先生はこの後デート?」
「いいや」
「なら、私とデートして。」
「ダメに決まってる。いいから、早く帰れ。」
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