序章  家、燃えました。

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「……はぁ」 うーん、と職場のパソコンとにらめっこ。 今はシフトを作成中。全国展開していると言っても一つの店舗に正社員は1人か2人で後はパート、アルバイトを雇っている。 仕事内容はバイトの面接育成、商品の買取から販売、商品知識の勉強、シフト作成、売場変更、クレーム対応まで多岐に渡る。 それにしても来月、土日の希望休多いなぁ。 私と店長が入れば何とかなりそうだけど、店長は月末に他店の応援に行くからな……。 いつもはラストまで入らない学生バイトの子に1日だけ融通きくか確認してダメだったら私がラストまで入るか。 「よし」 とりあえずシフトは完成。 人件費も予算内。後は店長に報告してシフト管理アプリにデータを上げれば終了。 タイムカードを切って帰り仕度をしようとしたら……コンコン、と事務所のドアをノックする音がしてバイトリーダーの金子さんが入ってきた。 「秋山さん、すみません……ちょっとパソコン買取分からなくて」 「あー、パソコンですか。どうしました?」 私もパソコンはあんまり得意じゃないけど【分からない】とは言えない。 「はい、動作確認しようとしたら突然フリーズしちゃって」 「分かりました、ちょっと一緒に見てみましょう」 年式古いのかな?OSなんだろ。 「すみません、帰る所だったのに」 「いえ、大丈夫ですよ」 金子さんは私より2つ上のパートさんだ。 プライベートな事はあんまり話さないけど、独身で結婚願望もないらしい。 去年正社員の試験に推薦しますよ、と言った事もあったけど【今くらいがちょうど良いので】と、断られてしまった。 社歴も長いし仕事も出来るし勿体ないって思うけど本人にそう言われたら仕方ない。
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