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 淡々と言うと、サンドイッチを片手にスマートフォンの画面を確認する。冷淡なように見えるが、和泉の勉強をこれ以上邪魔しないようにという配慮なのだ。 ――どれだけ華やかな舞台に立ってキラキラな笑顔を見せたところで、それをお前が見ててくれなきゃ意味がないんだよ、護。  そんな言葉を呑み込んで、和泉は笑顔を引っ込める。そして、目の前に座る護の姿から渋々視線を引き剥がすと、再びテキストを開いた。
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