546人が本棚に入れています
本棚に追加
俺、帰りたい。
かわいい女の子の部屋の掃除なら喜んでしますけど…でもモサ男だろ?
俺、帰っていいかな……。
まあ帰ろうとするとまた【必殺・ピアスくんの眼光】がくるから帰れないんだけどね。
ヘタレ?いやいや、ほんとにあれは怖いって
「取り敢えずこのくらいでいいかな」
途中参加してきた爽やかくんがそう声をかけると、みんな一斉に力を抜いた。
「ありがとうソウ!みんなも!ありがとな!!」
「いや、俺は…翔のためなら………」
疲れた。6時なう。学校終わってからずっと掃除してましたよコノヤロウ。
はあ、俺も麗と一緒に帰ればよかった……。
「勉強しようか、と言いたいところだけど、皆腹減ってるよね?」
「5時半頃からグーグー言ってますたww」
「みーとぅー」
「減ってる!!!」
「…………」
みんな減ってるのね、そうね、男の子だもんね。
俺も減ってる!だって男の子だもん!
だが腹を空かせている男子高校生を満足させてくれる物は今はない。モサ男の部屋カップ麺のひとつもなかったし。
食堂...は、行くのめんどいなぁ...。
何気に地味に遠いんだよな…。
「じゃあ俺が作るよ。何がいい?」
「ふむ、好きな子に手料理を作って胃袋をグワシ作戦なわけですね」
おい、和人お前それ聞こえてるから。
ボソッと言ってるけど隣に座ってる俺とピアスくんには絶対聞こえてるから。
するとピアスくんが立ち上がり、「お、俺も作る」と言い出した。
和人は「うひょーwwwクッキングバトルwwww」と楽しそうにしている。
「ふぉふぉふぉ!不良の手料理!美味いのか!!?美味い場合のギャップと不味い場合の母性くすぐる感じのどっちなんだ!」
「うっせえよ」
べしっと和人の頭を叩く。
「てかお前3次元ダメとか言ってたろ」
「キャラクターとして見てるんよ。フィルターかけてんの。」
「あ~なる。」
「ナチュラルに下ネタ言ったな。そういうところ好きだぞ」
「キャッ告白されちゃったッ!」
「返事はどうかな?葵子ちゃん」
「葵子ぉ、もう心に決まった人がいてぇ、だからぁ、ごめんなさぁい♡」
「……………」
「……………」
「きm「言うな」」
デジャヴを感じる。
最初のコメントを投稿しよう!