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泥棒がスタートして3分。警察がスタートするまであと7分もある。
唯一の友達である麗が泥棒側へ行ってしまったので話し相手がいない俺はとても暇である。
準備運動も兼ねてその辺をぶらぶら歩いていると、そこには居ないはずの人物を見つけた。
「えっ………麗??」
「葵羽か。どうした」
「え???ど、どうしたってwえwwww」
ハテナを隠せない俺に、あぁ、と納得したような表情を見せて、麗はとんでもないことを言い放った。
「両者がいいというなら、開始前の役の交換はいいんだよ。その辺にいる…ほらそこ。」
そう言って腕に黄色い…ほら、あれだよ。あれを腕に巻いた体操服姿の生徒を指した。
「そこらじゅうにいる風紀委員に許可を貰って、そんで交換出来る。」
へーそーなん。そんなルールがあるなんてまあ。
「そらややこしいルールを入れたものだねえ。去年はハンカチ落としで簡単なルールだったのに。」
いやー、思い出すだけでげっそりしてくる。
あのボンボンども…。
「なんで僕が床に座らないといけないの!?」だの「誰のか分からないハンカチを使うの…!?やだ!汚い!!」だの抜かしおって…。
始めるまでに数時間かかって先生涙目w
結局延長になったんだよな。どうせなら中止にしろよって。
まあ最後にゃ和室に座布団引いてハンカチは生徒会やら風紀やらの綺麗(笑)なハンカチを使って何とかなったけど。
て、そんなことを思い出してる間に残り1分。
屈伸くらいはしとくか。
いっちにーさっんsん?てか麗は誰と役を交代したんdヴーーーーー
…まあいいか。
ブザーみたいな音が鳴った。多分これが開始の合図だろう。皆走り出しtいぃ゛って!!今俺の足踏んだの誰だ!!!ってうお押すなよ!
うわ!
ぐへ!
ぎゃ!!
あーれー……
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