皆お待ちかねの新歓でっせ

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俺の思考のせいで空気だったけどこれ上に犬乗ってんだよな。あれ、ハスキーって言うんだっけ? いやあ、まじかで見てもかっこiちょ待って。 さっきまでスルーしてたけど俺ずっと顔面舐められてんだよな。 え、ハスキーってこんなに人懐っこいの?? 「うはw、ちょwま、待て!待てストップ!ステイステイww」 俺が顔面を舐められるのを避けると首を舐められてしまい俺の危険信号が機能してしまった。 つまりくすぐったい。 躾のなっているワン太郎(仮名)のようで、すぐに舐めるのをやめてくれた。 俺は膝立ちになり、思いっきり頭やらほっぺやらを撫でてやった。 そうするとさっきまで弱くなっていたしっぽの振りが強くなった。 例えるならあれだ、扇風機の弱と強並みの違いだな。 そんなどうでもいいことを考えていると、そういえば今飼い主いないんだった。ということを、思い出した。 「んー、どうしたらいいんだ」 こういう時ってどうすんだ?職員室…は違うか? さすがにこの学校も迷子センターなんてないよな? ふとワン太郎に目を移すと、弱まっていたしっぽが強く振られだした。 …………………うん。 「後で考えればいいか。」 今はワン太郎を愛でるだけを考えよう。 しばらく俺が282…ニコニコしながらワン太郎を撫でていると、背後から嫌な大声が聞こえた。 「あ!!!アオバー!やっと見つけた!」 見たくもない後ろを見ると、数十m先にモサ男がはあはあと息を整えながら歩いてきていた。 廊下長ぇなぁと再認識する。 正直関わりたくはないが、麗が警察になったことで嫌な予感がしていた。 俺は開きたくもない口を開き、働きたくないでござるーと主張している声帯を使って声を出した。 「…なんのよう」 「俺レイに泥棒と代わってもらってさ!!これで一緒に遊べるな!!」 えーー……。 俺に捕まえてもらって俺がこいつに「遊ぼうぜ!」と言うことを信じて疑わないようだ。 別に捕まえること自体はいいんだよ。 適当に雑用でも何でも押し付ければいいし。 でもその後が面倒くさいんだよな。 どうやらこのホモ学園、「ペアになったらカップル」というクソみたいな決まり文句があるらしい。 俺は立ち上がり、目を細め、口角を上げ、如何にもな作り笑いを作った。 そして 「嫌です!!!」 そう言い放ち、モサ男とは反対方向へ突っ走った。
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