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いや、やっべ、つ、つかれた…
モサ男を撒くため、あっちこっち行ったり来たり。階段を登ったり下ったり。
結局は角を曲がった瞬間空き教室に入ることで事態はもちついた。
棒鬼ごっこゲームのブルーベリーでもここまでしつこくはないぞってくらい追いかけられた。
まあブルーベリーも最後はすげえ追ってきてたけど。
俺と一緒に逃げていた否、俺に付いてきていたワン太郎は嬉しそうに目をきらきらさせている。
いや、体力の差もありすぎでやんす……。
まあこれは日々の引きこもりが招いた結果でもあるがな。
そろそろ出るか。と、教室のドアを少し開いて廊下をキョロキョロと見回す。
誰もいないことを確認し、俺はワン太郎を連れて放送室へと向かった。
迷子センターがないのなら、作ればいいのだよ。
放送でもかけてそこに放t…おすわりさせとけば飼い主も来るでしょ。
そういえばずっとワン太郎って言ってるけど名前なんて言うんだ?
あ、首輪に飼い主の名前って書いてあるものなんじゃないのか??
そう思い、俺はしゃがみこんで「ちょいと失礼」と言って首輪を見た。
えと……名前、あ、これか?
もふもふな首からイヤに高級そうな首輪を見つけると、そこにはアルファベットでmaroと刻まれていた。
「ま……ろ?」
まろ?え、やだかわいいお名前。
ギャップやん。
首輪を探ると、また別のアルファベットが刻まれているところがあった。
「お、お、や、…ま」
おおやまという人が飼い主らしい。
「よし、じゃあ放送室へレッツラゴーなのだ。」
ごー。それを合図にマロは立ち上がり、俺の後をテクテクついてくる。
あかん、可愛ええ。
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