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俺が歌っていると、後ろで物音がした。
「ん?」
そこには、光が通ると赤くなる髪と、真っ黒な、如何にも日本人という瞳を持つ人物がいた。
俺は出来もしない口笛を吹いて、その人物の名前…は忘れたからその人物を指すの言葉を使った。
「会長様ではないですか。」
なんでこんなに古びた校舎にいるんだ。
会長が来ることによって親衛隊が押し寄せ、俺のこの極楽時間が終わりを告げることが目に見えた。
とりま会長といるところを見られたら後が怖いので、俺は会長に「それでは」と軽く会釈をして会長のいる方と反対のドアへ向かった。
すると突然俺の腕を掴まれた。
ここにいるのは俺と会長の2人。
あ、今ちょっと廊下で声がしたか?
やけに高い、女の人のような声だったから多分チワワだろう。
てか、
「ど、どうしました?」
未だ俺の手首を握っている会長。
え、なにw怖いんだがwww
「………今の歌…」
え?
歌??
「あ、あー、はい。歌、ですね。」
歌に対して歌ですねという謎の返しをしたが、そこには触れない方向で行こう。
「なんという歌だ」
「ヴェ」
会長の言葉に体が固まる。
え、えー、温室育ちの、多分今までクラシックとかしか聞いたこと無かったであろうお坊ちゃまにボカロとか教えていいの?
え?大丈夫??訴えられない???
後で理不尽に「俺様にこんなものを教えるとは貴様ァ!!」とか言われないよね??
えー、こわぁい(泣)
俺が教えるか教えないか迷っていると、今日はもう聞きたくないと思っていた声が耳に届いた。
「アオバぁぁぁぁああああああ!!!!」
「げっ」
「翔!?」
俺と会長がほぼ同時に反応した。
すると会長は俺を掴んでいた腕を離し、すぐドアの方へ向かった。
あ、これはあかん。と思った俺も、もう1つあるドアへ向かい、その前で待機した。
会長がモサ男を引き付けている間に俺はとんずらするぜ!!
案の定モサ男は会長のおかげで俺が見えていないようだ。
モサ男
会長
│
教│廊
│
室│
│下
内│
│
俺
こんな感じっすかね。
まあ、そんなこんなで俺は逃げるじぇええぇぇい!!!!
途中でモサ男に、気づかれて追いかけられたがまあ、さっきと同じ方法で回避……出来ない!!?
何だこの廊下くっそ長ぇ!!!
は!?モサ男アイツ足速!!!
てか会長まで来てる!!!
……てことは
これ外に出たら大騒ぎになるやつッ!
これで外に出るという選択肢は外れ……………
ないんだなぁ!!!
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