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俺は額と机をくっつけながらぐるぐる考えていた。
おかしい。おかしいぞ。
「何がおかしいんだ。」
ここ、女の子がいない…。
「そりゃ、男子校だからな。」
おいおい、聞いてねぇぞ兄者よ。俺は可愛い彼女作ってアーン♡なことやソーン♡なことしたかったんだ。
青春な生活を送りたかったんだ。
「へー、そうか。」
教師ですら女を見かけな…てかさっきから独り言うるせえ奴いるな。
「お前のことだな。」
俺のことか。
「.........え俺?」
「当たり前だろ。全部声に出てんだよ。」
がばっと頭をあげると、そこにいたのは長い銀髪を低い位置でひとつにまとめた、ホストのようなイケメン野郎だった。
てかホストだった。
「さてはお前、俺の話聞いてなかったな。朝っぱらから狸寝入りしてんじゃねぇ。寝るならちゃんと意識飛ばせ。起きてんなら話くらい聞いてろ。」
「……テヘペロ」
「真顔で言っても可愛くねえぞ。」
真顔じゃなくても可愛くねえだろ。
「真顔じゃなくても可愛くねえだろうけど」
人に言われるとムカつくな。
「はあ、まあいい、俺は優しいからな。もう一度言ってやる。」
そう言ってホストはコツコツと靴を鳴らして元々いたであろう教卓へ戻って行った。
「俺は木崎徹だ。お前らの担任になった。1年間よろしくな。」
「あ、はい、よろしくです。」
「じゃあ一人一人挨拶してもらおうと思う。じゃあ青山から」
「青山琉貴だ。──」
まあそんな感じで俺の番になりますた。
「えっとー菊池葵羽です。まあよろしく。」
さ、あとは寝るか。
「んぐぇ」
突如俺を襲った衝撃!一体誰だ!
とか思いながらゆっくり顔をあげる。
「菊池ぃ、寝るな…?」
「そこにはホストが!犯人はお前か、真実はいつも1つ!」
「誰がホストだこら。殺すぞ」
「遠慮しゃす」
「そうか、残念だ。」
教師としてどうなんだ。PTAに訴えたい。
「……まあ、初日だし許してやる。」
「いやーすいませんでしたー。」
「いつかなにか手伝えよ。」
「あいあいさー」
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