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「俺に外出許可をください。」
「なんだと?」
この学園は隔離されていて、生徒会長や理事長などの許可がないと外出ができない。
まあ、この学園に生活や娯楽に必要なものはだいたい揃ってるから、外出しようなんて輩はそうそういないんだが。
会長を見ると渋っていることがわかる。
ここで俺は切り札を出した。
「会長、俺の言うこと1つ聞いてくれるんですよね?」
そういうと後ろから野次のような口笛が聞こえた。
「そーだよそーだよ!」
「約束は守らなきゃねー!」
「……残念だが、貴様一人では外出できない。風紀か生徒会役員の誰かと一緒でないとダメだ。」
「どうしてもですか?」
「理事長がそう言ってたからな。」
理事長といえば今年新しくなったっていうイケメソな人か。
「…………」
どうしようか。
風紀は知らないし副会長はキチガイだし会長はガチホモだし……。
双子は面倒くさいし会計はうざいし…………。
「まじか…………」
俺が眉間に皺を寄せて考えていると、突然後ろから何かに押された。
「何悩んでんのさー!」
「一緒に行くなら、」
「「僕たちといこうよー!」」
「No!Don't touch me!!」
「「え発音良…」」
そこ引くとこちゃうぞ双子ツインズ
「じゃあじゃあ、俺と一緒に行くのは~?」
するとまた後ろから声がしてきて、それが会計のものだとわかる。
「嫌だ!!お前は何か…うん、やだ!」
「何それひっどーい!くすん…」
こいつっ…嘘泣きし始めたぞっ……!?
「あー!」
「あーくんがびっきー泣かせたー!」
うわうざ…
「はあ……このメンバーなら、」
そう呟いて会長に振り返る
「会長。今週の日曜時間あります?」
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