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「…?」
少年が目覚めると、そこは毎朝目にする自身の部屋の天井だった。
なんだ、全て夢だったのか。
でも、どこからが夢なんだ?
とりあえず体を起き上がらせようとベッドに腕をつく。
ズキっ
「っ!?」
少年の手のひらに痛みが走った。
「あっ、う…」
手を見ると、そこには包帯がぐるぐる巻かれていた。
その手で頭を触る。包帯同士が擦れるような音がする。
「夢じゃ………ない…?」
すると、ガチャリと扉が開く音がした。
「…輝」
「ちち…うえ……」
自分が巨漢たちに襲われて殺されかけたとしれたら、もう外にすら出れなくなるかもしれない。
何とか弁解しようとする。
「あっ、あの……父上……」
だが声が震え、目には涙が溜まる。
「俺、俺っ………ご、ごめんなさ」
い、と言葉を続けようとしたところ、少年の父親が少年にかぶさった。
「輝…無事で、良かった。」
目を見開いて驚く。突然で、少年は何も考えることすらできなかった。
父親は、「お前が病院に運ばれたと聞いて驚いた。」とか、「頭を5針縫ったんだぞ」など言っていたが少年にはそんなこと聞こえていなかった。
だが、これだけは一言一句覚えてる。
「もう、あの子と会うのはやめなさい。」
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