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「とまあ、そんなところだ。」
「は、はあ。」
え、なんかすごい長々と喋ってた。
要するに友達は桃太郎だったってこと??
あ、ダメだ訳分からん。
んー、これ何か言った方がいいのかな。
「………会長はさ、その…桃太郎と仲直りしたいの?」
「…は?桃太郎?」
「その話聞く限り、会長桃太郎のことまだ大好きっしょ」
「……………」
ありゃ?まさかの無意識??
高校生にしてはしっかりしすぎてる会長にもこんな青春な一面が…♡
………可愛くねぇな。
「…………だが、俺様は…」
「てか前から思ってたけど俺様とか貴様とか、素なの?」
「何だ急に。もちろん…素に決まっているだろう」
「ふーーん。………素じゃないならやめとけよォ、笑いこらえるのほんと辛いからさww」
まあキャラ作りだとしても面白すぎるけどwwww
「……お前…」
「ほれ、貴様よりそっちの方がしっくり来るっしょ」
「…………」
「まあいいや。話を戻そうではないか。」
そして俺は体ごと会長に向き直り、で、と言葉を続けた。
「会長は桃太郎と仲直りしたいの?」
「………できることなら、な。だが今あいつがどこにいるのかも分からない。こんな状況で仲を取り戻すなどできんだろう。第一、俺さ…俺はあいつが殴られるのをずっと見ていた。そんな臆病な俺を、許しては…………くれない、だろう?」
おお、一気に喋ったな。情報量多いわって。
あとそんなに(´∵`)シュン…としないで?そんなの、1ミリも可愛くないんだからね!
「んー、わっかんないわー。会長も言ってたじゃん?『俺は大人を呼んだ』って」
「だが、」
「だがも何もねえよ。遅かれ早かれ呼んだんならいいじゃん?相手も死んでないし。それに、それは昔の話だろぉ?少なくとも今の会長だと、突然友達が殴られていたらどうすればいいのか分からず固まる、ということはないね。絶対!」
「……根拠は、なんだ?」
「いやww会長絶対に手が先に出るだろwwwモサ男……日野の時もそうだったですしおすしwww」
「!」
会長が大きく目を見開いている。え、なんでそんなに驚いてんの?
まさか無自覚??
そ、それはそれで……ヒィ
「ほら、その、会長の小さい頃とかはよく知らないけど、でも体は小さいし力は弱いしっていうことは分かるわけでね?」
手を動かしながら力説する。
「だから大人が大きく見えたり、力が強く感じたりするのは当たり前なわけでして…。」
「……」
「だから、今会長の首を絞めたやつと対峙してみると、わりとそいつの方が弱かった…り?」
チラッと会長を見ると、今度はすごく真剣な顔になっていた。
やっべイケメンwww滅べやwwwww
「まあ、あの…何が言いたいかと言うと、人生やり直せることとそうでないことがあって、会長のそれはやり直せることになるんじゃないかなーと」
あかん自分の語彙力の無さ忘れてた。
「ほら!次その桃太郎がいじめられても、今度は会長がギッタンバッコンにやっちゃえって……いう、話?ですよね。これ。あれ?」
もうww自分で何を言っているのか分かりましぇんwwww
「まあ、はい。…これで俺の発表を終わります。」
すると会長が吹き出した。
「ブフっ」
「あぁ゛!?」
「ははははは!なんだ発表って!」
「ちょ!自分でもわけわかめなんよ言わないでください!?」
くっそこいつ……せっかくシリアスだったから慰めてやろうと思ったのに…!!シリアルに変えやがってコンチキショウが。
しばらく笑ったあと、落ち着いた様子の会長が口を開いた。
「まあ、お前の言いたいことは何となくわかった。…そうだよな。過去と今じゃ全然違うよな…。よし、わかった。俺はとりあえず、モモと仲直りすることを目標にする。」
「へ?あー、はい。いいと思います」
とりあえず一段落着いたみたいで良かった良かった。
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