1.この世界の皆さん、なんでこんなに昭和のヤンキーなの!?

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「お疲れ様です!」 「ナオさん、お疲れ様です!」  ナオがミドリを連れて本拠地に行くと、整列した男たちが一斉に頭を下げた。  男たちはみんなモヒカン、スキンヘッド、リーゼント、パンチパーマと気合の入った髪型をしていた。  その中をナオの後ろにくっついておずおずと歩き、ミドリは用意した席に座らされた。  目の前にはパーティ料理が並べられていたが、気分が落ち着かないミドリはとても手を出す気になれなかった。 「おぅ。みんな、もう伝わってると思うけれど、紹介するよ。『運命の子』ミドリくんだ」  ナオの紹介で整列した男たちの視線が一気に集まり、ミドリは逃げたくなった。 (こんな弱っちそうな奴がそんなすごいわけないだろって思ってるよね。バレてるよね!)  ミドリは膝が震えかけたが、ミドリが逃げ出す前に一人の男が口を開いた。 「本当だ……。本当に黒い髪に黒い瞳!! 『運命の子』だ!!!」 「えっ!」 「すげえよ、俺、黒色の髪って初めて見た!」 (僕も髪が黒いってだけで、こんなに褒められるの、初めてなんですけど!!)  黒髪黒目をもっとよく見ようと、男たちがミドリに迫りかけ、ナオが手で制す。 「やめな。オレを助けてくれたお客人だ。丁寧に扱え」  ナオが手で制しただけで、男たちはピタッと動きを止めた。   「お前ら、ミドリくんを怒らせるような真似したら、ただじゃすまねぇぜ。ミドリくんの強さは半端ねえぞ。俺たちを囲んだリザードマン100体を一気に剣で消し去っちまったんだ」 「おおおおお!!」  男たちが声が響くほどにどよめく。 「すげえよ、普通の人間はタイマンだったら絶対に勝てないリザードマンを!」 「王国騎士ですらリザードマン一体に三人で当たるっていうのに、ミドリさん半端ねぇ!」   (この世界ではリザードマンってそんな強いんだ!?)  ゲームとかで見ているとそんな強くなかった印象なので、ミドリのほうも驚いた。  ただ、ナオの話は盛り過ぎである。 (絶対に100もいなかったって。50とかそれくらいな気が……)  状況を思い出してみて、ミドリは少し冷静になって考えた。 (いや、でもすごいか……?)  あの時、まさにナオたちは囲まれていた。  ミドリがそこに現れて……。 「ナオさん、ミドリさんと出会った時のこと、知りたいです!!」  天の剣のメンバーの一人がナオにそう願い出た。 「ああ、細かいところまで聞いてねえ奴もいるのか。それじゃ話そうか。オレとミドリくんとの出会いを」  ナオがその時のことをみんなに話し始めた。
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