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C 「わたしじゃないわよ」
D 「わたしでもないわよ」
B 「わたしだってちがうわよ」
三人 「おまえだ!」
B 「だってえ、全国制覇もしたいし、イケメンのカレシも欲しいし、時給があがって楽して稼ぎたいけれど、ほんとうは、ほんとうは、有名人になりたいの。ゆう、めい、じん!」
A 「わかるわ」
B 「わかってくれる?」
C 「ええ、有名人になってチヤホヤされたいもんね」
D 「動画が百万再生されたいわよね」
B 「そうよ、女は永遠にチヤホヤされたいのよおお」
A 「ごめん。そしたらわたしもお願いしたいことがある」
三人 「部長! 願いましょう」
A 「わたし、この世からなくしたいものがあるの」
B 「部長、なんですか。戦争ですか」
C 「いや部長のことだから飢えに苦しむ子供たちのことよ」
D 「いいえ、いじめですよ。部長は正義感が強いから」
A 「納豆」
三人 「え?」
A 「わたし、納豆が嫌いなの。全国の納豆業者様には申し訳ないけれどどうしても食べられないの。ヌルヌルとネバネバ、そしてあの臭い。いくら部が全国制覇しても、イケメンのカレシができたとしても、バイトの時給が突然千円アップしちゃとしても、有名人になってあっちこっち引っ張りだこでオープンカーでパレードしたとしても、朝食に納豆が出たら、一日ブルーなのよ!」
B 「部長。すばらしいです」
C 「はい。やっと部長の本音がきけました」
D 「まじめだけが取り柄のひとかと思っていたのですが、見直しました」
A 「みんな、ありがとう。そうね。もう自分を偽るのはやめましょう。好きなことを好きなだけお願いしましょう」
三人 「はい!」
A 「違うでしょ。返事は!」
全員 「カバディ!」
パンパン
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