天知る地知るサクラチル

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男 「前略。とうさんかあさん、先立つ不孝を…」 桜 「そこじゃない」 男 「死ぬほどがんばって勉強した受験に失敗して…」 桜 「そこじゃない」 男 「死ぬほど大好きだったあの子に、死んだつもりで勇気を出して、告白したけれど断られて死ぬほど恥ずかしいので、僕は、僕は」 桜 「そこじゃない!」 男 「どこですか? ここから、僕の十七年間を振り返るのですが」 桜 「ちょっと興味はあるが、そこじゃない、最後のほうだ」 男 「最後、最後、最後、あ、これですか。最後に、僕を見つけてくれた方へ、死体はどうか、この桜の根元に埋めてください」 桜・女 「そこーーー」
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